LP GAS
容器の中に入っているLPガスが「液体」だということをみなさんは知っていましたか?LPガスは石油ガスを液化したもので、正確には液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)といいます。そしてこの頭文字を取ってLPG=LPガスというのです。ここでは、LPガスの成分や性質について、都市ガスとの違いについてご紹介します。
家庭で使われているLPガスの主成分は、プロパン(C3H8)がもっとも多くなっています。このためLPガスはプロパンガスとも呼ばれています。また、ガスライターの中に入っている液体はブタン(C4H10)と呼ばれる成分で、LPガスの一種です。このように、LPガスとして用いられているガスは、炭素(C)の原子数が4以下の炭化水素(CH)の混合物になっています。
LPガスは圧力をかけると簡単に液体になる性質があります。液体になると、体積は気体の時の約250分の1になります。輸入したり、ご家庭にお届けしたりする時には、液体にして効率よく運んでいる、というわけです。
気体のLPガスは空気より重く、空気の1.5~2倍の重さになっています(100%プロパンの場合、15℃・1気圧で1.865kg/m3)。そのため、家庭などでLPガスが漏れた時は、床面をはうように広がり、低い場所にたまる性質があります。一方、都市ガスは空気より軽く、漏れた場合は天井の方へたまっていく性質があります。
LPガスは本来においがありません。しかし、ガスが漏れた時にすぐに気づくように、ガス特有のにおいをつけています。このにおいの成分は、ガスが燃焼すると無臭になるので、LPガスが正しく使われている限りは臭うことはありません。
「LPガスは、玉ねぎが腐ったような臭いがするので困る」と考える人もいます。LPガスは、本来無臭なものですが、強制的に臭いをつけています。この臭いづけのことを着臭といいます。 着臭の目的は、万が一、LPガスが大気中に漏れた場合、その大気中の濃度が1000分の1という微量なものでも、くさい臭いとして人が感知できるようにしたものです。 臭いが香水のように心地よいものだと人は危険と感じにくいので、わざとこのような不快な臭いにしているのです。
液化プロパンの沸点は-42℃です。ですので冬でも安心して使えるのです。
気体のプロパン1m3を燃やすと99MJ(24,000Kcal)、ブタン1m3は128MJ(31,000Kcal)の熱量を発生します。これに対して都市ガス1m3は46MJ(11,000Kcal)です。気体のプロパンは都市ガスより約2.2倍の熱量があります。また、重量1kg当たりではプロパン、ブタンともに50MJ(12,000Kcal)の発熱量があります。
LPガスは家庭以外にも様々な分野で活躍しています。
アウトドア用コンロ
タクシーの燃料
フォークリフトの燃料
工業用LPガス貯槽
スプレー缶
他にも、屋台や道路工事の燃料等にも使われています。
LPガスはエネルギー供給源が各ご家庭にある為「分散型エネルギー」と言われています。エネルギーの供給導線が他のエネルギーと比べとても短い為、災害時の安全確保点検が容易に行えます。結果、安全確保が早期で取れ、使用再開が可能となります。 また、小型容器であれば持ち運びも簡単に行え、炊き出しなどの「火」の確保が可能です。そのためLPガスは災害時のエネルギーの「最後の砦」とも言われています。
赤火の原因は大きく二つあります。
お部屋を閉め切った状態でコンロ等を使用し続けると、新鮮な空気が不足し不完全燃焼を引き起こします。換気扇を使う・定期的に窓を開け新鮮な空気を取り込むなどの換気を行ってください。
ガスコンロの炎が出る部分(バーナー部)に油や食材が詰まってしまい空気不足になることがあります。使用済み歯ブラシなどで定期的にお掃除をすると解消されます。
ガスご使用時にガス臭いと思った場合は以下の手順で当社までご連絡ください。
大地震等の災害の際は、まずご自身の身の安全の確保を図る事が最優先になります。現在のガス器具・ガス供給設備は災害時の安全装置を備えているものが多くあります。ですのでまずは身を守ってください。そのうえで以下の手順で行動してください。
ご家庭に取り付けられているガスメーターには各種安全機能があります。
不測の事態に備えガスメーターでガスの流れを止め、それ以上ガスが漏れないようになっています。
シャワーを出しっぱなしで寝てしまうなど、長時間ガスが使用され続けた場合、ガスメーターが「ガス漏れかもしれない!」と判断し、メーターでガスを止めます。(長時間使用遮断)
これもガスメーターが「配管等に異常がありガスが漏れたのでは?」と判断し、メーターにて遮断します(流量オーバー遮断)。
大きな振動(震度5程度)をメーターが感知すると「地震だ!あぶない!」とメーターが察知し遮断します。(感震遮断)
たとえば地下に埋まっているガス配管が腐食して微量なガスが漏れたり、供給されるガスの圧力が基準値を外れるなどの異常もメーターの液晶部分に信号が上がり早期発見できるようになっています。(圧力監視)
ガスが止まった場合は、はじめに器具栓とガス栓を閉じて、すべてのガス器具を止めてください。
また窓を開けるなどして空気の入れ換えをしてください。
次にガスメーターの液晶窓の表示を確認してください。
このとき液晶窓のアルファベットと「ガス止」の表示が出て、赤いランプが点滅していれば、ガスメーターが遮断しています。
ガスメーターの左側の復帰ボタンを奥までしっかりと押してください。
液晶窓のアルファベットと赤ランプが点滅し、ガス漏れが無いか安全確認をしますので、約1~2分程度お待ちください。
※ボタンを押し続けたり、何度も押さないでください。
ガス漏れのないことを確認するとセキュリティ表示の点滅が消え、再びガスが使用できる状態になります。 ガスコンロの火をつけたり、お湯を出してガスの使用が確認できれば復帰操作は完了です。
お客様のご利用されているガスメーターにA5用紙サイズほどの通信端末を取り付けることで24時間365日ガスメーターを監視します。それにより、ガスメーターから発信される各種警報をJAあんしんセンター(JA-LPガス情報センター)にて受信し速やかにお客様と連絡をとり、事故の未然防止に努めています。
また、状況によりJAあんしんセンターより営業所等へ緊急出動の指示を出し、万が一の事態に備えています。